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ジョロウグモの交尾行動とフェロモン効果|メスの網を噛み切るオスの求愛・ドラミング観察記

こんばんは

2026年残暑が厳しい8月末28日未明に、家の裏に巣を張っていたジョロウグモのメスの巣にオスがとうとう姿を現しました。

ジョロウグモのオス写真

クモ網にぶら下がるジョロウグモのオスの拡大写真。体長約1cmで、腹部背面には黄色と黒の縦線模様があり、長い脚には関節ごとに黒いリング状の模様が見られる。
突然メスの巣に現れた、体長わずか1cmほどのジョロウグモのオス。メスのフェロモンに誘われ、命がけの求愛に挑む姿。

体長1センチほどのオスですが、どこに隠れていたのか、そして何処から来たのかと突然の出来事でした。


メスのフェロモン

このメスの成熟した、フェロモンに誘われて遠くから来たのだろうと思います。実は、巣を見守っていました2か月近くでしたが、どこにもオスの姿はありませんでした。

フェロモンが届く距離

  • 数十メートル以上

メスが網の糸や体から発する性フェロモンは、風に乗って拡散します。オスは脚の先にある鋭い化学感覚器でこれを感知するため、微量な空気中の匂いであっても数十メートル以上離れた場所から察知して移動してくることが可能です。

  • 糸を伝うシグナルは無限大

風による空中拡散だけでなく、メスが歩いた「枠糸(外枠の糸)」にもフェロモン(連絡糸フェロモン)が付着します。オスがその糸に一度触れれば、距離に関係なく正確にメスのもとへ誘導されます。

フェロモンはずっと出ているのか?

  • 24時間ずっと出ているわけではありません

最終脱皮の前後から成熟期にかけて集中的に分泌されるみたいです。

  • 脱皮直前〜直後がピーク

メスにとって最も安全に交尾できる「最終脱皮の直前〜直後」に分泌量が爆発的に跳ね上がります。脱皮直後のメスは自ら攻撃できないため、オスにとっても捕食されるリスクなく交尾できる絶好のタイミングだからです。

  • 栄養状態(食事)で増減する

イナゴなどの大型のエサを食べて代謝が上がると、体内でホルモンやフェロモンの合成が活性化し、分泌量が一気に増えます。

フェロモンが強くなる時間帯

  • 早朝から午前中にかけて

ジョロウグモの脱皮や網の張り替え、代謝活動は夜間から早朝にかけて活発になります。そのため、朝方の空気の澄んだ時間帯や日照が始まる時間帯はフェロモンが風に乗って拡散しやすく、オスの動きも非常に活発になります。

  • 日中の気圧・風の影響

日中もフェロモン自体は出ていますが、風向きや気温の上昇(上昇気流)によって匂いの帯が変化するため、オスは風が落ち着くタイミングや日陰になる時間帯を狙って接近してきます。

メスに急接近?

最初、オスを見かけた場所からだいぶ、じわじわと1時間ぐらいかけて急接近していました。

網の上で、大型のジョロウグモのメス(下)に向かって、上部から小型のオスが少しずつ近づいている様子。メスの腹部には黄色と黒、赤色の模様が見える。背景は木の壁。
メスの様子をうかがいながら、網の上を慎重に近づくジョロウグモのオス(上)。食われるリスクと隣り合わせの、緊張の一瞬。

オスが巣をかみ切る?

これは、私がイナゴをエサに与えたのですがメスが食事をしているのを見計らって突然、巣の反対側メスのお腹からお尻の方の斜め上辺りの真ん中の糸をオスがかみ切る行為に出ました。

これには、初めてでしたので驚いてしまいました。

丸い穴を開けてしまいました。

手前で大きな獲物(イナゴ)を糸で巻いて捕食するジョロウグモのメスと、そのすぐ上の網の糸を噛み切って穴を開けようとするオスの様子。青空と屋根背景。
メスがイナゴの捕食に没頭する隙を狙い、メスのお腹側にアクセスするための穴を網に開けるジョロウグモのオス。交尾に向けた決死のアプローチ。

メスのお腹をタッチ

この後、近づいた開けた穴からメスのお腹を左右の前足で交互に10秒ほど優しくタッチしました。

メスへの求愛ドラミング

前足を左右交互に動かしてメスの腹部を叩き、自分の存在を知らせつつ反応を窺う行動は、メスが捕食に夢中になっている数十秒〜数分間というごく短いチャンスにしか発生しません。


この後、オスはメスの様子を離れてうかがっていました。

下部でイナゴを捕食中の大きなジョロウグモのメスと、少し距離を置いて上部の網に止まり、メスの反応をじっと伺っている小型のオスの様子。背景は木の壁面。
開けた穴からメスの腹部へタッチ(求愛ドラミング)を行った後、一旦身を引き、交尾を受け入れる状態か慎重に様子をうかがうジョロウグモのオス。

巣の穴を閉じるメス

オスは、交尾のタイミングを計っているのですがメスはエサを食べながらオスが開けた穴を簡易的に閉じてしまいました。


慎重で怖がりなオス

穴を開けた後、数秒間メスのお腹をタッチしました。そして近づくとメスが足と体を使ってはねのけるしぐさをします。

オスは、身を引きジッとメスを見つめています。

メスが少しでも動きを見せると、身を引いています。

メスに食われてしまうという恐れがあるのでしょう。

一度で、上手くいくときと何度かのアタックもあるのでしょう。

数時間後の観察

夜の10時ごろに見に行きましたが、オスが開けた穴は閉じられていました。

オスは、近づき閉じられた巣の隙間から前足を使用して左右にタップしようとしていましたが、メスが足と体を使って嫌がって怒り出しています。

オスは、離れてメスを見つめてチャンスをうかがっています。


まとめ

ジョロウグモのメスが成熟して、フェロモンを出し始め突然オスがメスの巣に姿を現し求愛のチャンスをうかがって必死の駆け引きを見ることができました。

子孫を残すためとはいえ、食われてしまうという危険をおかしてまでジッとメスを見つめてチャンスをうかがうオスの勇気、そして種の存続を担った最後の大仕事を成し遂げる生命の素晴らしさを感じました。

ここまで、読んでくださってありがとうございます。

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