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『トビズムカデの冬の過ごし方 ― 大型と小型で異なる“半冬眠モード”の生態を観察して』

こんにちは。

冬が近づくと、飼育しているトビズムカデの動きがゆっくりになり、
ときにはほとんど姿を見せなくなることがあります。

「低温環境でもゆっくりと触角を動かす大型トビズムカデ」
瓦を持ち上げてみると、触角をゆっくり動かして反応する大型個体。体はしっかりしており、健康な冬の状態です。

今回は、私の飼育環境(気温7〜10℃前後)で観察した
大型個体と小型個体の“冬の行動の違い”をまとめてみました。

トビズムカデは冬にどう過ごす?

10℃前後で代謝が落ちるんだ。

半冬眠(冬眠前の低活動状態)になってしまうんです。

これは、10℃前後のときの状態です。

夜の7時過ぎから出てきて瓦の上で休む姿を見かけることもあります。

瓦の上に気温10℃を指す温度計が置いてあり、瓦の下にはトビズムカデが半冬眠モードで休んでいる。
気温10℃で瓦の下では、トビズムカデが半冬眠モードで休んでいます。


でも、大丈夫で動かなくても正常です。

大型個体の冬の行動の特徴

気温が上がるとすぐ動き出します。
体力があるので反応がはっきりしています。

「光を避けながら隙間へ移動する大型トビズムカデ」
明るい場所を嫌うトビズムカデの本能的な行動。瓦の下に戻ろうと、ゆっくり安全な暗所を探しています。

夜間にケース内を散歩するんだ。

気温8℃の大型トビズムカデの状態

12月11日の午前中の室内の気温が8℃ほどです。外は本格的に冬に入り気温が下がる日が

あってムカデの方も一週間前ぐらいから姿を見せなくなりました。

10℃以下の8℃以下ぐらいに下がると出て来なくなっていました。

夕方から深夜は、もっと外気は下がると思います。

瓦の下は、おそらくヤシガラの保温性で8℃から10℃ぐらいあるので大丈夫と思われます。

12月11日にムカデ飼育ケース内の瓦の上で測定した気温が約8℃を示している温度計の様子
12月11日、トビズムカデの隠れ場所である瓦付近の温度を測定したところ、約8℃を記録。冬の半冬眠状態に入る低温環境での実測値。

これは、上記の写真同日に瓦をどかして様子を見たものです。

触覚を閉じて半冬眠の状態になっていました。

でも、光やライトには反応して触覚がピーンと張って動きだします。

外と違って、飼育下の室内のプラスチックケースの中ですので

気温は安定していると思います。

冬の低温で半冬眠状態になり丸まっているトビズムカデが、床材の上で触角だけ反応させている様子
冬の気温8℃前後で半冬眠状態になったトビズムカデ。体を丸めて動きを抑えているが、ライトの刺激には触角がゆっくりと反応する健康な姿。

小型個体の冬の行動の特徴

ほとんど動かず、姿も見せません。
体力を温存するための自然な行動ですね。

「低温でじっと丸まる小型トビズムカデの冬の姿」
小型個体は大型よりも省エネ行動が顕著で、冬はほとんど動かず隠れ家でじっとしています。これも正常な冬の行動です。

隠れ家でじっとして省エネモードなんだ。

飼育しているムカデが冬に動かなくなる際の管理方法は、
こちらの“越冬中の飼育方法まとめ”が参考になります。
https://koutakun-ippin.com/centipede-winter-care/

半冬眠モードの見分け方

ゆっくり動きますので寒さで代謝が落ちているのがわかります。
丸まっていても触覚が少し動いています。

そして、石や瓦をどかしてみると光を嫌がります。

リラックスモードで、休んでいたり冬眠モードですと

触覚も折りたたまれています。

冬場以外でも、ムカデがじっと静止する場面は多く観察されます。
夜間の不思議な静止行動はこちらの記事で紹介しています。
https://koutakun-ippin.com/night-centipede-on-tile/

冬の飼育で気をつけるポイント

そっとしておいて、無理に触らない方がよいです。

餌は急がなくてよいです。10〜12℃では消化できなく

消化不良で弱ったりします。


乾燥を避けて霧吹きなどで軽く吹きかけて乾燥を防いでください。
5℃以下には下げないようにすると、よいです。

まとめ

大型と小型では、冬の行動に違いがあります。

どちらも“生き残るための正常な行動”であり、心配する必要はありません。
春になって気温が安定すれば、また元気に動き出します。

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