こんにちは。
カマキリの顔を見ていると、
ふと触角の付け根あたりに 小さな黒い点 があることに気づきました。
数えてみると、なんと 3つ。
「何だろう?」と思い調べてみると、
そこには昆虫ならではの驚くべき機能が隠れていました。
🔍 それは “単眼(たんがん)” という特別な眼だった

オオカマキリのメスの頭部中央付近に並ぶ黒い点。
この正体は 単眼(ocelli) と呼ばれるシンプルな眼です。
左右の大きな眼は「複眼」。
それとは別に、カマキリは通常 3つの単眼 を持っています。
🔹 カマキリの単眼とは?
昆虫の多くが持つ“光のセンサー”。
物の形は見えませんが、光の強弱を敏感にキャッチします。
- 通常3つ(左右+中央)
- 三角形に配置されている
- 角度や光で見えにくいこともある

チョウセンカマキリでも同じように3つ並んでいました。
🔹 単眼の役割と複眼との違い
複眼と単眼、それぞれまったく違う役割を持っています。
● 複眼
- 物の形
- 動き
- 色
- 距離感
→ 詳しく、鮮明に見分ける
● 単眼
- 光の強さ
- 明暗の変化
- 動きの気配
→ とにかく“素早く察知”する
捕食者カマキリにとって、単眼は素早い反応を可能にする重要器官なんです。

ハラビロカマキリでは緑色に光る単眼が確認できました。
まるで小さな宝石のようで美しいですね。
カマキリが周囲を察知する別の器官としては、後方感知センサーである「尾毛(びもう)」を解説した記事もおすすめです。
🔹 コカマキリにも3つの単眼がある

コカマキリも同じく3つ。
光の反射で黒く輝き、表情を引き締めています。
🔹 光センサーとしての単眼
単眼と複眼の役割をまとめると…
✔ 複眼:細かい像をつくる(見る機能)
✔ 単眼:光・変化・動きを察知する(センサー機能)
この2つを組み合わせることで、
カマキリは 暗闇でも素早く獲物を察知できる“超俊敏ハンター” になれるのです。

オオカマキリのオスは特に鋭い表情で、
単眼と複眼が合わさることでより獰猛な印象になります。
単眼で状況を捉えながら産卵を行う様子は、「カマキリの産卵の観察記録」で詳細に紹介しています。
まとめ|単眼という“小さな3つの点”に隠された大きな力
カマキリの顔をよく見ると、
獲物の動きや敵の気配に敏感に反応する理由がよく分かります。
大きな複眼だけでなく、
触角の中央付近にある 3つの単眼 が非常に重要な役割を果たしていること。
人間にはない「単眼」という特殊な視覚器官。
その機能の素晴らしさに、改めて驚かされました。
ここまで見てくださって、本当にありがとうございました。