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「カマキリのお尻のヒゲの正体|尾毛(びもう)のセンサー機能を徹底観察」

こんにちは

カマキリのお尻を、眺めていました。

そうすると2本のヒゲがあるでは

ありませんか。

これは、何のためにあるのだろう?。

この2本のヒゲは 尾毛(びもう/cerci)という高性能センサー で、

風の流れや振動を感じ取り、背後の危険を察知する機能です。

"オオカマキリのメスのお尻と2本の尾毛のマクロ写真 | Macro photo of female Tenodera aridifolia abdomen showing two cerci (tail filaments)"
オオカマキリのメスのお尻。2本の尾毛(びもう)には細かい産毛のような毛が生えており、微細な空気の動きを感知します。

これは、オオカマキリのメスのお尻です。

2本の尾毛に、細かい産毛のような毛が

生えています。


カマキリのお尻の2本のヒゲ(尾毛)の正体とは?

カマキリのお尻にある2本のヒゲ状の器官は

「尾毛(びもう/cerci)」または「尾状突起」と呼ばれます。

この尾毛には無数の感覚毛が生えており、

風の流れや空気の振動を感じ取るセンサーの役割を果たしています。

背後から近づく敵や振動を敏感に察知し、

素早く反応するための“命を守るアンテナ”みたいです。


🔍 バッタ・ゴキブリなど。

カマキリを含む多くの昆虫(バッタ・ゴキブリなど)のお尻の先には、

左右1対の細い感覚器官「尾毛(cerci:サーシ)」があります。

"オオカマキリのメスの尾毛を拡大した写真 | Close-up of female mantis cerci showing fine sensory hairs"
オオカマキリのメスの尾毛を拡大。無数の感覚毛が生えており、わずかな風の変化も捉える高感度センサーです。

オオカマキリのメスの尾毛です。

よく見ると、細かい産毛のような毛が

たくさん生えていますね。

カマキリが持つ他の重要な感覚器については、頭部にある「3つの単眼(ocelli)」を解説した記事も合わせて読むと理解が深まります。

🧠 役割と機能

振動や風、接触を感じ取る感覚器官

  • 尾毛には多数の感覚毛(神経)が通っており、空気の流れや振動、後方からの接触を感知します。
  • 敵や天敵が背後から近づくと、わずかな風圧で察知し、すぐに防御姿勢を取ることができます。
"チョウセンカマキリのオスの尾毛をマクロ撮影した写真 | Macro photo of male Hierodula patellifera cerci (Korean mantis)"
チョウセンカマキリのオスの尾毛。交尾時の位置感覚にも関わる重要な器官で、繊細な神経が通っています。

ちょうせんカマキリのオスの尾毛です。

交尾時の姿勢補助

  • オス・メスともに交尾の際、互いの位置を感じ取るためにも使われます。
  • 特にメスは、産卵時に体勢のバランスを取るセンサーとしても役立っています。

"ハラビロカマキリのメスの尾毛を拡大したマクロ写真 | Macro image of female Harabiro mantis cerci showing short thick filaments"
ハラビロカマキリのメスの尾毛。やや太く短い形状で、産卵時の姿勢を保つセンサーのような働きがあります。

ハラビロカマキリのメスの尾毛です。

種類や性別で微妙に形が違う

  • オスはやや細く長く、メスは太く短い傾向があります。
  • オスの場合は感度が高く、飛翔中の空気の流れも検知するといわれます。

尾毛が折れても生きられる?欠損個体の観察

"コカマキリのオスの尾毛を撮影した写真(右側が欠損) | Male Ko-mantis cerci with right filament partially broken"
コカマキリのオスの尾毛。向かって右の尾毛が途中で欠けていますが、残る尾毛には細かい感覚毛が確認できます。

コカマキリのオスの尾毛です。

向かって右の尾毛は、半分ほど切れていました。

もう一つに小さな産毛が生えています。

見えにくいかもしれませんが、個体が非常に小さくて

私のカメラでは、限界でした。


"オオカマキリのオスの尾毛のマクロ写真 | Macro image of male Tenodera aridifolia cerci with dense sensory hairs"
オオカマキリのオスの尾毛。毛が多く発達しており、空気の流れを敏感に感じ取る高度な感覚器です。

オオカマキリのオスの尾毛です。

メスに非常に似ています。オスらしく

毛がたくさん生えています。上の黒い粒はお尻をケガして

いました。


🟩 豆知識


尾毛(びもう)は多くの昆虫が持つ器官で、

ゴキブリやバッタなどでも確認されています。

特にカマキリではこの尾毛が非常に発達しており、風圧や振動を感知して、

後方の危険を察知する「第六感」のような働きを持っています。

尾毛には多数の感覚毛があり、それぞれが神経とつながっています。

わずかな風や振動をキャッチすると、その刺激は電気信号として脳に送られ、

即座に防御や逃避の行動につながります。

つまり尾毛は「後ろに目がある」ように働く、高度なセンサーなのです。


まとめ

カマキリのお尻にある2本の尾毛(びもう)は、

風の動き・振動・接触を感じ取る高感度センサーです。

昆虫などは、背後から近づくとまるで後ろに目があるように

素早い動きで防御や逃走をします。

カマキリの尾毛は、その秘密を解き明かす鍵でした。

昆虫の体は、弱肉強食の自然界を生き抜くための

完璧な装備でできているのですね。

自然界のサバイバルは、

やはり驚きと感動の連続です。

ここまで

読んでくださって

ありがとうございました。

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