広告

『カマキリの祖先はどんな生き物?ゴキブリとの意外な関係と進化の歴史』

こんにちは。

カマキリを見ていると、ふと思ったことがあります。

静かにこちらを見つめるカマキリの姿|好奇心を誘う観察写真
草むらで見つけた一匹のカマキリ。ここから「この虫の祖先はどんな姿だったのか」という興味が湧いてきました。

大昔は、どんな祖先だったのだろう。

カマキリの祖先はゴキブリなのか?

恐竜ほどではなくても

大型の姿だったのか興味がつきませんでした。

ワクワクしながら調べてみました。

古生代にいた“ゴキブリ型の昆虫”

カマキリの祖先をたどると、

行きつく先は 古生代ペルム紀(約3億年前)

その時代には、現在のゴキブリに非常によく似た形をした昆虫が多く生息していました。

実はカマキリも、この “ゴキブリ型の昆虫” と同じグループから進化してきたと考えられています。

🟩 3億年前(古生代)
└─ ゴキブリ型祖先昆虫
├─ シロアリへ
├─ ゴキブリへ
└─ 原カマキリ
↓(前脚の鎌が発達)

🟦 1億年前(白亜紀)
└─ プロトファスマ(Protophasma)
↓(ほぼカマキリの姿)

🟧 現代:カマキリ目(Mantodea)
├─ オオカマキリ
├─ チョウセンカマキリ
├─ ハラビロカマキリ
└─ 世界で約2400種

その代表が、
リトゥディクトキア類(Lytoneuridae) と呼ばれる古代昆虫。

見た目はゴキブリのようですが、

前脚に小さなトゲがあり、

のちのカマキリの“鎌”の原型ともいえる構造を持っていました。

前脚に棘を持つ古代種 ― 原カマキリの存在

化石研究によって、

約2億〜3億年前の時代に「原カマキリ」といえる昆虫がいたことがわかっています。

リトゥディクトキア類の古代昆虫イラスト|ゴキブリ型で前脚にトゲを持つカマキリ祖先の特徴
リトゥディクトキア類(Lytoneuridae)は、ゴキブリのような姿をした古代昆虫。前脚に小さなトゲがあり、のちのカマキリが持つ“鎌”の原型に近い構造を備えていたと考えられています。

特徴は次の通りです。

  • ゴキブリのような体
  • 三角形に近づきつつある頭
  • 小さな獲物を捕らえるための前脚のトゲ

まだ「カマキリらしい姿」ではないものの、

捕食者としての第一歩 をすでに踏み出していたのです。

やはり、この頃から肉食ですね。

前足のトゲが似ているのかな。

古代の昆虫ですので、どんな姿をしていたのか想像して

しまいますね。

カマキリの体の仕組みについては、後方センサーである「尾毛(びもう)」を解説した記事でも詳しく紹介しています。


カマキリとゴキブリは近い仲間

分類学でわかる共通点

現代の分類では、

  • カマキリ目(Mantodea)
  • ゴキブリ目(Blattodea)
  • シロアリ(Isoptera)※現在はゴキブリ目に含まれる説が主流

この3つが、同じ大きな系統に属します。

ゴキブリとカマキリとシロアリの3枚の合成写真|カマキリの祖先と近縁であることを示す資料
意外にもカマキリと近い系統に属するゴキブリ。姿形は違っても、進化のルーツは深くつながっています。

つまり、
カマキリ・ゴキブリ・シロアリは“いとこ同士”のような関係 なのです。

進化って、面白いなぁ。

遺伝子解析の結果でも、この近縁関係は確かめられています。

いとこと言っても、色や姿形はまったく違う気がします。

シロアリとも近い「大きな一族」

興味深いことに、

シロアリは昔「独立した生き物」とされていましたが、

近年の研究で“ゴキブリの仲間”であることが判明しました。

1匹のシロアリの写真|カマキリ・ゴキブリと同系統である昆虫
シロアリもまた、ゴキブリと同じグループに含まれる昆虫。カマキリとは大きく姿が違うものの、意外な“いとこ同士”です。

つまり、

  • カマキリ
  • ゴキブリ
  • シロアリ

これらは、一つの大きなファミリー として進化してきたのです。

この事実を知ると、

カマキリの体のつくりや習性にも、多くの“共通のルーツ”を感じます。

どこか、似ているのかもしれないね。


カマキリが現在の姿になるまでの進化の流れ

3億年前の祖先から白亜紀のプロトファスマへ

時代が進んで 白亜紀(約1億年前) になると、

ついに“ほぼカマキリ”と呼べる昆虫が登場します。

その名が プロトファスマ

プロトファスマProtophasma)は、古生代石炭紀に生息した肉食性昆虫。直翅類と網翅類の中間的な形態を持つ[1]

参考:Wikipedia「プロトファスマ」より引用

特徴は、

  • 完成された鎌状の前脚
  • 三角形の頭
  • 肉食性の捕食者

現代のカマキリとほとんど同じ姿をしており、

ここでようやく “カマキリの形” が整ったと考えられています。

肉食化・前脚の発達・首の可動性の進化

カマキリの進化のポイントは大きく3つあります。

  1. 折りたたみ式の鎌の発達
     小さな昆虫を素早くつかむために進化。
  2. 首の自由な可動性
     180度近く動く首は、待ち伏せに最適。
  3. 肉食性の獲得
     昆虫界でも珍しい“完全肉食”の道へ。
翅を大きく広げ威嚇姿勢をとるカマキリの写真|赤色の後翅が見える防御行動
翅を広げて体を大きく見せるカマキリの威嚇行動。後翅の赤い模様が強調され、捕食者を遠ざけるための防御姿勢がよくわかる一枚です。

オスは、良く飛ぶそうです。

でも、飛ぶのが苦手なんだよ。

これらの特徴は、

太古の森の中で生き抜くために必要な機能が、

長い時間をかけて洗練されていった結果なのです。

捕食のための進化ということは、食欲旺盛だったのと

獲物を確実に仕留めるたための進化だったのですね。


カマキリの特徴がどのように進化したか

鎌状の前脚が発達した理由

原始的な昆虫たちの世界では、

「素早く獲物を捕まえる能力」が生存のカギでした。

そこで、前脚にトゲが増え、

やがて鎌のように折りたためる構造が発達します。

カマキリの前脚(鎌)の近接写真|獲物を捕らえるための鋭いトゲ
前脚の鎌には鋭いトゲが並び、獲物を確実に捕らえるための重要な進化の名残が見られます。

僕のカマには、トゲがたくさん付いているよ。

この変化が、今のカマキリの

“一瞬で獲物を捕える技” の基盤となっています。

捕まえたら、とにかくガッチリとカマで捕らえ離さず

現代のカマキリのようにすぐに食べていたのでしょう。

待ち伏せ型捕食者としての適応

森林の中でじっと身をひそめ、

突然、獲物に襲いかかる――。

このスタイルが成功し、

視覚・前脚・頭の可動性がより発達していきました。

緑のカマキリが葉の上で構える姿|3億年の進化を経て完成した捕食者
長い年月を経て進化してきた現代のカマキリ。鎌や視覚、動きを洗練させ、究極の待ち伏せハンターとして生き残ってきました。

上手く体の色も、環境に溶け込んで獲物を

待ち伏せています。

待ち伏せも、僕の特性だよ。

カマキリの姿は、

“自然が作り上げた究極の待ち伏せハンター” といえます。


まとめ ― カマキリの祖先を知ると、今の姿がもっと面白くなる

草むらや突然家の近くの壁などで見かける一匹のカマキリ。

その姿の裏には、

3億年の進化の歴史が流れています。

ゴキブリに似た古代昆虫から始まり、

長い時間をかけて鎌や視覚を発達させ、

現在の“完璧なハンター”へと変わってきました。

長い年月を経て、子孫を残し

生き残るための進化を遂げて

今の姿になったのですね。

素晴らしいの一言です。

-昆虫と自然
-