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ジョロウグモの色彩戦略 ― 背中は2色、腹は3色の理由とは?

こんにちは。

ジョロウグモの背中やお腹などには、黄色と黒色、お腹側には赤色も入っています。

非常に目立つ色だと思いませんか。

それは、黄色と黒色の効果によりハチ類を連想させる危険という警告で

赤色は毒の印象で危険という外敵への強烈な拒否シグナルです。

つまり、全ての色に意味があって危険というサインを出して不用意に近づくなという

生き残りのための進化だということですね。

青空を背景に巣の中央で静止するジョロウグモの全身。黄色と黒の警告色が背中に見える。
青空に浮かぶように巣の中心で待機するジョロウグモ。背中には黄色と黒の警告色がはっきりと見え、外敵に危険を示す独特の色彩戦略が際立っている。

背中の真正面、黄色と黒色の2色

背中の真正面は、黄色と黒色の2色になっています。

これは、警戒色の色で遠距離用で鳥などの上空からの捕食者に対して

ハチを連想させて警告している色です。

ジョロウグモの背中中央にある黄色と黒の警戒色模様を拡大撮影した写真
ジョロウグモの背中には黄色と黒の模様がはっきりと現れ、警告色として外敵に危険を知らせている。背面には赤色がなく、鳥など上空からの捕食者に見つかりにくいよう進化した色彩配置と考えられている。


側面に赤色

この写真には、側面にも赤色がありますね。

それは、光が当たる角度、外敵が横から近づくときの威嚇になっていると思います。

目立つようで目立たず、怖く見せて近寄らせない

という高度な色彩戦略を使っているのです。

ジョロウグモの腹側に広がる赤色と背面の黄色と黒の模様を横方向から撮影した写真
ジョロウグモを横斜めから撮影した一枚。背面は黄色と黒の2色だが、腹側には赤色が加わり、近づいた外敵に強烈な威嚇効果を与える3色構造になっていることがわかる。


なぜ背中は2色で、お腹は3色なのか

でも、ここで不思議な疑問が湧いてきました。

なぜ、背中の真正面は黄色と黒色の2色だけで、お腹は赤色を加えて3色なんだろう。

ジョロウグモの腹部を正面から撮影した写真。黄色と黒の模様に加えて赤色が広がっている様子がわかる。
ジョロウグモの腹部を真正面から撮影した一枚。背中には存在しない赤色が腹側に広がり、近づいた外敵に対する強烈な威嚇色として機能している。黄色と黒の模様と合わせ、3色で危険を伝える独自の色彩戦略が見て取れる。

上空の鳥などの捕食者対策

ジョロウグモにとって最大の脅威は 空から襲う鳥です。

鳥は人間より色覚が発達しており、特に赤色に敏感です。

赤色は目立つので見つかりやすいので、生存率がさがるのです。

だから、背中の真正面は黄色と黒色の2色なんですね。

赤色は、至近距離での威嚇の色

赤色は、近くでみると強烈で角度によっては強く映えます。

赤色は、背中の真正面より側面からお腹側が威嚇効果が大きく

接近した鳥や昆虫などにに向けた最後の警告になっていると思われます。

お腹の黒色と黄色の模様

この模様は、背中と違って不思議な模様になっています。

おそらく、これは背景に溶け込んで錯覚を起こさせる

例えば、周りの草木や枝葉や建物などの影などと同化していると

思われます。見つかりにくくしているのですね。


まとめ

クモのなかで、特にジョロウグモに出会うと

3色の色が、目に真っ先に飛び込んできます。

そして、こちらに強烈な恐怖と毒や噛みきなどの

痛みを連想させて遠ざかるようにと警告になっています。

この色の視覚効果は、進化の過程で身につけた高度な

素晴らしい能力なんですね。

ここまで、読んでくださってありがとうございます。

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