広告

「ジョロウグモの産卵:天井裏に隠された「金色の繭」の秘密と、子グモの数と運命」

こんにちは。

家の屋根の雨受けの下の、屋根の下あたりの天井部分の淵に1匹の

女郎蜘蛛が卵を産んでいました。

中の繭のようなものにたくさんの糸が網目のように

張り巡らされてその上で、大事に卵を守っているようにジッと

止まっていました。

黄色と黒の縞模様の腹部を持つジョロウグモのメス成体が、白い糸の塊状の卵のうの上にいる様子。
鮮やかな黄色と黒の縞模様を持つジョロウグモのメス。産卵を終えたか、まもなく終える時期で、卵のうの上でジッと静止しています

何かしらの、黒いゴミが糸と一緒に巻かれていますね。

これは、ゴミを付けて卵を分かりにくくしているのだと思います。

黄色い糸が、あったりします。女郎蜘蛛の糸の特徴が出ていますね。

寒くないように、布団にくるまれているようで

愛情を感じますね。

黄色と黒の縞模様の腹部を持つジョロウグモのメス成体が、白い糸の塊状の卵のうの近くにいる様子。
鮮やかな黄色と黒の縞模様を持つジョロウグモのメス。産卵を終えたか、卵のうのそばにいます。

12月7日になります。今年最初の寒波到来から本格的な冬になっています。

もう、すでに親蜘蛛の姿は消えていました。

天井部分の白い板と糸の色が同化しているので

外敵から見つかりにくいですね。

よく、近くでみるとたくさんの粒々のようなものが見えます。

この中に、何個の卵があるのだろうか。

そして、春にはどれくらいの子蜘蛛が出てくるのだろうか。

天井の隅に貼り付いた、茶色と黄色の分厚い糸の塊状のクモの卵嚢。ジョロウグモの卵のうと推定される。
天井の雨受けの下に密着して貼り付けられたジョロウグモの卵のう。周囲には金色の糸の痕跡が見えます。

お尻から出る糸の仕組みは、https://koutakun-ippin.com/jorougumo-silk-observation/で紹介しています。


卵嚢から生まれる子グモの数は

およそ 500〜1,500 匹ほど

平均は 800〜1,000 匹前後ほど生まれるようです。

ものすごい数ですね。生まれたては小さいので可愛いいと思います。

ジョロウグモの卵嚢の内部には、
非常に多くの卵(数百〜千個以上) が入っています。

ジョロウグモの卵のうから生まれてくる数千匹の子グモの中には、オス(雄)とメス(雌)の両方が含まれています。

卵数は個体の条件で変化します

  • メスの体格
  • 栄養状態(餌の量)
  • 秋の気温
  • 最初の卵嚢か、2個目・3個目か

などで差が出ます。


◆ 卵嚢1つからの典型的な孵化数

メスの状態生まれる子グモの数
栄養豊富で大型1,200〜1,500匹
普通のメス800〜1,000匹
小柄・栄養不足400〜700匹
2個目・3個目の卵嚢300〜500匹

最初の卵嚢が、もっとも数が多くなります。

獲物をたくさん食べて、栄養状態の良いメスがたくさん卵を産むのですね。


生まれた後どうなる?

孵化した子グモ(1齢幼生)はすぐには巣外へ出ず、

  • 卵嚢内部で1回脱皮(幼生→1齢へ)
  • 暖かい日に卵嚢の外に出て集合
  • 数日~1週間ほど団子状に集まる
  • 一斉にバルーニング(糸で風に乗って分散)

という流れになります。

最初は、兄弟姉妹で過ごす時間があるのですね。

そして、それぞれの道へと旅立つのです。


重要ポイント

孵化した子グモのうち、多くは

  • 鳥・昆虫・クモに食べられる
  • 風雨で落下
  • 餌不足
  • 共食い

などで、成体まで生き残るのはごくわずか(1000匹中1匹程度) です。

この世に生まれても、兄弟姉妹たちはほとんどが食べられる運命なのですね。


まとめ

卵を産んで、寒くないようにたくさんの糸で保温して

決して見ることのない我が子たちをジッと

守るように止まっている姿は感動させられます。

たくさんの子蜘蛛が生まれても数匹しか生き残れない

厳しい自然の掟を母蜘蛛は知るよしもないのですね。

ここまで、読んでくださってありがとうございます。

-昆虫と自然
-