みなさん、こんにちは。
今回は田んぼの近くや草むらでよく見かける
ハネナガイナゴ(コバネイナゴ) の交尾と産卵を観察しました。
じっくり見ていると、オスの行動がまるで性格の違いを表しているようで、
とても興味深く、そして少し笑える場面もありました。
最初のオスは触角を震わせ、足を小刻みに動かしながらメスを落ち着かせる「優しいタイプ」。
一方で、あとから登場した体の大きなオスは、メスをがっちり押さえ込み、
背中を噛みながら強引に交尾へ持ち込む「力強いタイプ」でした。
さらに、その日の夜にはメスが産卵を開始。腹部を土に深く差し込み、
約50分かけて卵を残す姿は、生命の営みを感じさせる感動的な瞬間でした。
この記事では、ハネナガイナゴの交尾と産卵の観察記録 を、写真や動画とともに紹介します。
オスごとのアプローチの違いや、産卵行動の細かいしぐさにご注目ください。
最初のオスの交尾行動|優しく落ち着かせるアプローチ

これは、同じオスメスなのですが
最初のアタックは、すぐに離れました。
上記の写真は2度目のアタックでした。
メスは必ず最初に、翅を震わせたり脚を蹴り上げたり抵抗します。
ですが、ここで面白いオスの行動がありました。
触覚を上下に震わせながら、後ろ足を痙攣させて
メスを優しく落ち着かせているように見えました。
交尾はせず、5分程で離れました。

そしてこんどは、ウロウロメスはしたあとにオスと
見つめ合うのか、にらめっこなのか。

そのあとです。メスのお腹とお尻がウネウネ動いていました。
糞をするのかな、と思いましたが
おそらくオスの受け入れ交尾の準備を整えていたのでしょう。

そして、オスの3度目のアタック。
メスも、最初よりも抵抗が少なく
すんなりと交尾が成功しました。

メスの背後から、オスが後ろ足でがっちりと包み込んでいます。
メスも後ろ足を閉じてリラックスしています。
オスの生殖器が、向かって左側から巻き込むように
メスのお腹側に入っているのが分かりました。

もっと長いかと思われましたが
短い交尾でした。15分ほどで終了していました。
仲のよい感じで
ホッとしていました。
2匹目のオスの交尾行動|強引に捕まえる戦略

しかし、ここで私は
最初のオスより少し体の大きい、元気の良いオスを
30分ほどたって投入してみました。
オスは、すぐに反応しました。
最初のオスが手を挙げて
待ったをしているように見えて
笑えました。

あと投入のオスの、最初のアタックは凄かったです。
キバでメスの背中をカミカミして
がっちりとメスを捕まえ抑え込むように
力強かったです。
メスの抵抗も激しく、5分ほど体をゆすり続け
翅を震わせていました。
オスは強引に
交尾に持ち込んでいます。

もう、すでに生殖器をメスのお腹側に
入れていました。
最初のオスとは違い強引そのものです。
メスが、それでも小刻みに体をゆすり
抵抗していました。

10分ほどたって、メスも受け入れたのか
落ち着いた様子で他のオスとの交尾成立していました。
なぜか、最初のオスは眺めていました。
見ていて笑えました。

あと投入のオスとの交尾時間は、2時間ほど
続きました。
離れる瞬間は、前方向に頭を踏んづけながら
オスは離れました。

豚さんの貯金箱も
静かに見守りましたよ。
メスの産卵行動とその後の様子

なんと、その日の夜には
もう産卵がはじまっていました。
1時間近く、お腹が半分くらい土の中に
埋まるくらいでした。

これが、産卵が終わって
お尻を土から抜くとこです。
脚を揃えて
すぐに飛ぶ準備を整えて
跳ね上がりましたよ。
捕食者から、見つからないためにも
素早く逃げるのですね。
ハネナガイナゴの卵鞘を割って観察してみた

交尾と産卵の観察を終えたあと、
数日経ってから土の中に残された卵鞘(らんしょう)を取り出してみました。
卵鞘は、淡い黄土色のスポンジのような塊で、
周囲には土がまぶされていました。

試しに卵鞘を半分に割ってみると、
中からは 黄色い米粒のような卵がぎっしりと並んでいる様子 がはっきりと確認できました。
卵は縦方向に整列し、泡状の物質で固定されていて、
とても規則的な並びをしています。
卵の大きさは約3〜4mmほどで、
孵化が成功すれば来春に幼虫が土の中から出てくることになります。
ただし、卵鞘を割ってしまうと乾燥して孵化が難しくなるため、
今回は観察用として記録を残しました。
まとめ
はじめて
ハネナガイナゴの交尾から、産卵までを観察しました。
オスそれぞれの個体のメスへの
アプローチが違うことが
わかりました。
強引な面や、
何か人間に近い
愛情表現なのか
優しさなのか
子孫を残すことへの
本能が
ほんの少し
分かったように思えました。
笑えることもあり
楽しい時間を
体験できました。