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『秋の終わりに残った一匹のオオカマキリ ― 命の季節を見届けて』

令和7年11月5日。

飼育していたカマキリたちが次々とその一生を終え、今は一匹のオオカマキリのオスだけが生きています。

"秋の終わりに残った一匹のオオカマキリ。仲間たちは亡くなり傍らで1匹だけ佇む"
晩秋の光の中で、最後まで生き抜くオスのオオカマキリ。仲間たちは亡くなり、ゆっくりとした動きに季節の終わりを感じる。


エサを与えてもゆっくりと噛むその姿は、まるで秋の終わりを告げなにか寂しい悲しいものです。

体の色は深い茶褐色に変わり、目の輝きも黒く沈み動きも少しずつ鈍くなっています。

それでも、命の灯を消さぬように、小さな体で最後の時間を生き抜こうとしていました。


オオカマキリのオス

老化の兆し

最近では、獲物を与えても反応が遅く、噛む力も弱まってきました。

"老化の兆しが見えるオオカマキリのオスの姿。黒みがかった目と深い茶褐色の体色が印象的。"
老化が進み、目の色が黒く沈んだオオカマキリのオス。静かに口をゆっくりとエサを噛む姿に、命の余韻が宿る。


目の色は黒く沈み、じっと一点を見つめるような表情を見せています。

それでもケースの中では、無駄なエネルギーを使わないように微動だにせずじっとしています。

なぜ目が黒く沈むのか

老化が進んだカマキリは、複眼の視細胞が機能を失い光を感じる力が弱まることで目が黒く濁ったような色になります。

なぜ体が弱っていくのか


また体の代謝が落ち外骨格が乾燥していくため、体色も深い茶褐色へと変化します。

さらにエネルギーを作る力がほとんど残っていないため、動きはゆっくりとなり餌を噛む力も弱くなります。

カマキリは一年生の昆虫であり、秋の終わりに寿命を迎えるよう生理的にプログラムされています。

オオカマキリのメス

12月25日捕獲したメス

12月25日の夕方5時ごろに、外は気温が10℃ほど。

寒波襲来で北風が吹く玄関外の横で固まっていたオオカマキリのメス。

触っても動かないので土の中に入れてあげようと手のひらに載せたら、後ろ脚がほんの少しだけ反応したので家の中に入れてヒーターの前に持っていきました。

ゆっくりと、動き出した時にはこのクリスマスの日まで、良く生き延びていたと強い生命力を感じました。

頭を下げる理由は

  • 防御反射はある
  • しかし 筋力が持続しない

典型的な終末期の反応です。

12月25日夕方に保護した終末期のオオカマキリのメス。寒波の影響で体力が衰え、頭を持ち上げても筋力が続かずゆっくり下げていく状態
12月25日の夕方に捕獲したオオカマキリのメス。度重なる寒波と霜に耐えてきた個体で、頭を持ち上げる反応はあるものの、すぐに力尽きるように静かに下げていく。終末期に見られる穏やかな反応で、激しい抵抗や混乱はなく、落ち着いた状態を保っている。

お腹がぺちゃんこになる主な理由

  • すでに産卵を終えて体力が落ちている
  • 脱水・飢餓で中身が減っている
  • 体内の“脂肪・栄養”を使い切っている

脚の力もなくなって、だらりと垂れ下がっています。

12月25日夕方に捕獲した終末期のオオカマキリのメス。腹部は痩せて平らになり、脚にも力が入らずだらりと下がった状態
12月25日の夕方に保護したオオカマキリのメス。度重なる寒波と低温環境を生き抜いた個体で、腹部は著しく痩せ、脚にも力が入らず自然に垂れ下がっている。終末期に見られる体力低下の様子がはっきりと分かる姿で、激しい動きはなく静かな状態を保っている。

老化は自然の流れなのです。

命の終わりを受け入れる

自然界では、冬の訪れとともに多くのカマキリが命を終えます。

"晩秋の飼育ケースに佇むオオカマキリのオス。命の終わりを静かに迎える姿。"
冬を前に、静かに時を止めていくオオカマキリのオス。ゆっくりとその命を全うしていく。


飼育下にあっても、その流れは変わりません。

静かにその命の終わりを見届けるだけです。

しかし終わりがあれば、始まりもあるということです。
ここでは、「腹がふくらんだハラビロカマキリの産卵|卵鞘の形と産卵後の様子」
紹介しています。


🌾締めの言葉

最後の一匹となったオオカマキリ。

そのゆっくりとした動きの中に、確かな「生」の光がまだ残っていました。

命の終わりは哀しみではなく、「生きた証」。

季節が巡り、また来年、草むらに新しい命が現れることを願いながら静かな秋の終わりを、私はこの小さな命とともに過ごしています。

ここまで、読んでくださってありがとうございます。

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