こんにちは
炎暑の午後、ツバキの葉が白く見えて“枯れたかな”と思いきや
「まさかの毛虫地獄!」
目を凝らしてみると
そこには、たくさんの毛の生えた毛虫がびっしりといました。
それはチャドクガの幼虫でした。

ギャーッ。
なんだ、この生物はという驚きと気持ち悪さでした。
チャドクガとは?
ツバキ・サザンカなどツバキ科の木を好む毒蛾です。
幼虫の特徴というと
黄色っぽい体に黒い斑点、短い毒針毛があり
集団で葉の上に整列する習性(今回の写真がまさに典型例)
もう、気持ち悪さはすごいです。
危険性
毒針毛による強烈な皮膚炎(かゆみ・水ぶくれなど)の
症状があります。
これに、知らず知らずのうちに腕などが接触したらいけないので
作業などをするときは、長袖や腕カバーなどをすると良いと思います。
毛は飛散しても付着します。
風下の洗濯物にも注意が必要です。
発生時期とライフサイクル
年2回(春と秋)発生するということです。
🐛 チャドクガのライフサイクル(卵 → 幼虫 → 蛹 → 成虫)
① 卵
産卵時期:春(5月前後)、秋(9月前後)
産卵場所:ツバキやサザンカの葉裏に卵塊を産みつけ、母蛾の毒針毛で覆われる。
見た目:白っぽい小さな卵が塊になっている。
② 幼虫(毛虫)
特徴:黄色〜黒っぽい体に黒い斑点、全身に短い毒針毛があります。
習性:集団で葉の表に並んで食害(ツバキ科の葉を食べ尽くすことも)
危険性:毛は風に乗って飛散し、かゆみ・炎症など皮膚炎を引き起こします。

食べながら、糞もしています。
夢中でエサに群がり、貪り食う姿は本能なのですね。
③ 蛹
場所:葉裏や枝の付け根、樹皮の隙間、時に落ち葉や地面の隙間にいます。
繭:自分の毛と糸を混ぜた繭を作り、その中で蛹化します。
危険性:繭や蛹の表面にも毒針毛が付着しており、触ると炎症を起こします。
期間:気温によるが2〜3週間ほどで羽化
④ 成虫(チャドクガ)
姿:白っぽい小型の蛾(羽に黒い点が並ぶ)
活動:夜行性。成虫にも針毛が付いており注意が必要です。
産卵:再びツバキ・サザンカの葉裏に卵を産みつけます。
📅 年間サイクルの目安
春(5〜6月):第1世代幼虫が発生します。
夏(7月):蛹 → 成虫 → 卵
秋(8〜9月):第2世代幼虫が発生します。
冬(10〜翌春):蛹や卵で越冬

近づいて見ても、物凄い勢いの食欲です。
チャドクガは、毒針毛があるので天敵はいるのでしょうか。
捕食者からすると、厄介な獲物なのでしょうか。
調べてみましたら、
捕食者(自然界で食べる生き物)
- 鳥類
→ 毒毛虫は一般的に鳥に避けられますが、一部の鳥(シジュウカラ・ヤマガラなど)は器用に毛を避けて食べることが知られています。 - クモ類
→ 大型のクモは幼いチャドクガを捕らえることがあります。 - カマキリやハチ
→ 体が小さいうちは捕食されることがありますが、大きくなると毒針毛でほとんど敬遠されます。
寄生者(体内に寄生する昆虫)
- 寄生バチ(ヒメバチ類、ツヤコバチ類など)
→ 幼虫や蛹に産卵し、体内で発育。結果的にチャドクガを死に至らせます。 - 寄生バエ
→ 卵や幼虫に寄生し、体内から食い尽くすタイプもいます。
病原体
- カビ(昆虫病原性真菌)
→ 湿気が多い時期に幼虫に感染し、群れごと死滅することもあります。 - ウイルス・細菌
→ 天然の病気で個体数が一気に減ることがあります。
それでも、獲物としてはこの毒針毛は嫌な武器になっていますね。
そんな理由もあって、一気に増え広がって被害を拡大させてしまうのでしょう。
だから、人の手で駆除をしたほうが良いといえますね。
⑤ 駆除・予防
幼虫ごと葉を切り取って処分(防護必須)しましょう。
毛虫用の殺虫剤(スミチオン・BT剤など)で駆除しましょう。
卵塊の早期除去で発生を防ぐことができれば良いと思います。
特に顔や、目などに飛ぶと危険ですので
防護具(手袋・マスク・ゴーグル)を徹底することです。

少し濡れた感じですが、市販のゴキブリ用殺虫剤でも
効きました。
まとめ
初めて、目撃したときの
気持ち悪さは衝撃でした。
無数の毛が生えていましたので
毒針ではと思い危険を感じました。
風などでも、毛が飛散して皮膚や
目などに接触したりすると
いけないのでツバキの葉に発見したら
殺虫剤などで駆除したほうが
良いでしょう。
この毛虫を知らない人もいらっしゃると思うので
ツバキに近づくときには
気をつけてくださいね。