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オオヒメグモはなぜ卵のうを切り離すのか?母グモの巣掃除とアリが回収する驚きの生態

こんにちは。

オオヒメグモの、母蜘蛛の近くにあった卵と黒い獲物がなくなっていました。

オオヒメグモの母親は、不要になった獲物や古い卵のうを切り離すことがあります。

オオヒメグモの母グモが卵のうのそばにとどまり、黒い獲物を糸で固定している様子。切り離される前の巣の状態
母グモがまだ黒い獲物と空になった卵のうを巣に保持していた時の様子。後にこの二つは巣から切り離され、下へ落とされた。巣掃除の前後がよくわかる貴重な一枚。

なぜ、親蜘蛛は卵のうを切り離すのか?

クモは巣の状態に非常に敏感です。

腐敗臭やコバエなどの発生や、巣が汚れたり重みで壊れたりを嫌う

ために巣を綺麗に保つのです。

オオヒメグモの巣から黒い獲物と空の卵のうが切り離され、母グモの周囲がすっきりした状態
母グモが不要になった黒い獲物と空の卵のうを切り離した後の巣の様子。巣が整理され、子グモが動きやすいすっきりした状態になっている。

清潔に保つ

孵化した子グモが、動き回って巣の中にあるゴミなどに絡まったりすると

危ないので母グモは綺麗にするのですね。

古い卵のうを落とす

卵のうが破れて、孵化して中身がなかったりすると卵のうを切り離すことが

あるということです。

オオヒメグモは、マメに巣を掃除して綺麗にするのですね。

黒い獲物、エサはどこへ?

黒いエサは、栄養価が高いので真っ先にアリが回収した可能性があります。

捕獲されてから2日ほどしかたっていなかったので

新鮮だったのでしょう。

アリは付着している糸も切れるので黒いエサは最優先で持ち帰ったのですね。


アリが卵のうを運ぶ理由

これは、母グモが落とした卵のうを少し離れたところでアリが持ち去ろうとしている

様子です。

オオヒメグモの巣から落とされた空の卵のうを、アリが地面で持ち帰ろうとしている様子
巣掃除で落とされた空の卵のうを、アリが食料として巣へ運ぼうとしている場面。役目を終えた卵のうが、別の生き物の資源となる自然の循環を示す一枚。

食べられる残りカス

卵のうは、空っぽでも中に付着したタンパク質や微細な分泌物などの

栄養の源が残っているので持ち帰ろうとするのです。

アリは匂いをかぎ分ける嗅覚が鋭いので食品の匂いをかぎ分けて

います。まだ、食べられる可能性があるということです。

とりあえず巣に持ち帰る

ちょっでも食べ物の可能性があると巣に持ち帰りますが、運んできた獲物を

巣の中で判断する役目のアリがいます。

そして、クモの卵のうは絹糸でタンパク質のかたまりですので

アリにとっては食べられるタンパク質で価値があります。


空の卵のう

これは、アリが持ち帰ろうとしていた卵のうです。

見た目はシワシワでしぼんだようになって

中は空っぽになっています。

孵化後にしぼんでシワができたオオヒメグモの空の卵のうの接写写真
孵化を終えて中身が空になった卵のう。内部が空洞になったため軽く縮み、外側にシワが寄っている。母グモが巣から切り離したと考えられる、役目を終えた殻の姿。

この卵のうは100%に近い確率で孵化後の殻

ピンセットで触ってみましたら。

  • 触ったときに軽い
  • フワッとする(中が空洞の証拠)
  • 表面がしぼんでいる
  • アリが内部を食べていない

母グモが、巣を清潔に安全に保つために役目を終えた卵のうを

切り離したのですね。

オオヒメグモの卵のうから何匹うまれるのか?子グモの厳しい生存競争を解説しています。

孵化前の卵のう

この卵のうは、表面がふっくらしていてシワがあまりないですね。

形がしっかりして丸みを、保っています。中身が詰まっていると思われます。

母グモが近くを離れずに、振動などに反応して卵のうにくっついて

守ろうします。

オオヒメグモの母グモが孵化前と思われる中身の入った卵のうに密着して守っている様子
ふっくらとした卵のうに寄り添う母グモ。中にまだ卵が残っているため、わずかな振動にも反応して強く密着し、卵のうを守ろうとする姿が見られる。空の卵のうとは違う“保護行動”の証。

まとめ

オオヒメグモの巣から、卵のうが消えているのを

初めて見て気になって観察してみましたら、

自然のサイクルを経験しました。

母グモの巣を綺麗に保つ行動は、不思議で

下では、アリが落ちてきた空っぽの卵のうを

持ち帰り食料などに利用しています。

昆虫の世界では、無駄なものはないのですね。

ここまで、読んでくださってありがとうございます。

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