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クレオメに集まるヒメナガメの成長と行動観察|幼虫から成虫までをマクロで追う秋の生態記録

こんにちは。

夏には見かけなかったヒメナガメが、

秋の終わりにセイヨウフウチョウソウ(クレオメ)の葉へ集まり始めました。

セイヨウフウチョウソウ(クレオメ)の花と葉が咲く秋の庭の様子|Blooming Cleome (spider flower) with green leaves in an autumn garden
秋の終わりに咲くセイヨウフウチョウソウ。淡いピンクの花弁と独特の香りが、ヒメナガメを引き寄せていました。

この写真が、セイヨウフウチョウソウ(クレオメ)です。

枯れかけた植物の汁を吸う姿、種の部分で育つ幼虫、

そしてマクロレンズで見える細やかな模様。

それぞれの行動に、虫たちなりの生き残り戦略があるようです。


秋のクレオメに集まったヒメナガメたち

枯れかけたクレオメの茎に集まるヒメナガメの成虫たち|Adult Eurydema rugosa bugs gathering on withered Cleome stems
クレオメの枯れかけた茎や葉に群がるヒメナガメ。秋の終わりに一斉に集まる不思議な行動が見られました。

枯れかけたクレオメの葉や茎に、

黄色と黒の模様が目立つヒメナガメの姿がありました。

夏には見かけなかった虫たちが、

秋の終わりに一斉に集まっていたのです。

クレオメはアブラナ科に近い香り成分を持つ植物。

彼らはその匂いに誘われ、

まるで“間違い訪問”のように群がっていたのかもしれません

それでも、この行動は越冬前の重要な栄養補給。

自然の中で生きる知恵を感じます。


ヒメナガメとはどんな虫?

黒地に黄色模様をもつヒメナガメの成虫(背面)|Adult Eurydema rugosa showing black body with yellow patterns
体長約7mm。黒と黄色のコントラストが美しいヒメナガメの成虫。マクロで見ると繊細な模様が際立ちます。

これは、成虫です。

体長約7mmほどの小さなカメムシで、

黒地に黄色や橙色の模様が入る美しい種。

アブラナ科植物の汁を吸うことで知られていますが、

近縁のクレオメにも反応するようです。


ヒメナガメの腹部模様(お腹側)をマクロ撮影した写真|Macro photo showing the underside pattern of Eurydema rugosa
お腹側にも黄色い模様が入るヒメナガメ。細部まで美しいデザインが施されたようです。

お腹側の、模様です。

お腹までオシャレですね。

🧬 ① 主食はアブラナ科植物

ヒメナガメの基本生態から見た珍しさ

ヒメナガメ(Eurydema rugosa)は、

古くから「ナズナ虫」などとも呼ばれるほど、

アブラナ科植物(ナズナ、ダイコン、ハクサイ、カラシナなど)に特化した吸汁性カメムシです。

つまり通常、マメ科や他科の植物にはほとんど寄りつかないのが一般的。

そのため、

アブラナ科以外の植物(クレオメなど)に群がるのはかなり珍しい現象です。


クレオメを選んだ理由とは?

アブラナ科に似た香り成分

クレオメはアブラナ科と化学的に近く、

イソチオシアネート系の香りを放ちます。

ヒメナガメの嗅覚を刺激して集まったと考えられます。

追肥の影響と栄養価の変化

約1か月前に与えた少量の化成肥料が、

植物内の糖やアミノ酸を増やし、汁液をより甘く栄養豊富にした可能性があります。

匂いと味の両面で虫を引き寄せたのかもしれません。


幼虫から成虫まで、世代で利用するクレオメ

クレオメの種さやで汁を吸うヒメナガメの幼虫|Eurydema rugosa nymph feeding on Cleome seed pod
クレオメの種の部分で育つヒメナガメの幼虫。植物の汁を吸って成長していました。

これは、幼虫です。

種の部分には幼虫の姿も見られ、

さやの部分から、汁を吸って育っていました。

つまりこのクレオメは、ヒメナガメにとって「食卓であり、

保育所でもある」存在になっていたのです。


吸汁する成虫の姿

クレオメの葉に口吻を突き刺して吸汁するヒメナガメの成虫|Adult Eurydema rugosa piercing Cleome leaf with its proboscis to suck sap
枯れかけたクレオメの葉にも残る栄養を吸い取るヒメナガメ。越冬前の大切なエネルギー補給です。

成虫は鋭い口吻を葉に突き刺し、汁を吸っています。

枯れ始めたクレオメでも、内部にはまだ栄養が残っており、

虫たちはそれを察知して越冬前のエネルギー補給を行っています。

観察から見えてきたこと

肥料による植物の変化、秋の気候、

そして虫の越冬準備——それらが重なって起きた自然のタイミング。

クレオメに集まるヒメナガメたちは、

まるで季節の終わりを知らせる小さな生き証人のようでした。

🧪 ② クレオメは「アブラナ科に近い性質」を持つ

🌸 クレオメ(セイヨウフウチョウソウ)側の要因

分類上は フウチョウソウ科(Cleomaceae) ですが、

DNAや化学成分の面でアブラナ科に非常に近縁です。

🔹 両者に共通する特徴:

  • イソチオシアネート系の香り成分(辛子臭)
  • 花の構造(4枚の花弁・6本の雄しべ)
  • 熟すと裂ける長いさや状の果実

➡️ この香り成分が、**ヒメナガメの嗅覚センサーを刺激して

「アブラナ科と誤認」**させる可能性があります。


つまり、嗅覚的な“勘違い”による誘引です。

セイヨウフウチョウソウ(クレオメ)とは?

庭に突然咲いたピンクの花の正体は?セイヨウフウチョウソウ(クレオメ)を紹介!

は、こちらからどうぞ


まとめ

追肥のタイミングと季節の移ろいが重なり、

虫たちはクレオメを“最後のごちそう”に選びました。

枯れゆく花の上で繰り広げられる、

小さな命の営み。

その瞬間をカメラに収められたことは、

まるで自然からの贈り物のようでした。

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