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クロメンガタスズメの幼虫をナス畑で発見!蛹化から羽化までの飼育記録

2025年夏、自宅のナス畑で野菜の収穫作業中に、目を引く鮮やかな緑色の大型幼虫を発見しました。

7月21日の午前11時ごろでした。

よく見ると、それはクロメンガタスズメの幼虫でした。

あまり見かけることのないこの昆虫に強い興味を抱き、観察と記録をはじめました。

"ナスの茎にとまるクロメンガタスズメの幼虫 | Acherontia lachesis caterpillar resting on an eggplant stem"
ナス畑の茎で発見したクロメンガタスズメの幼虫。鮮やかな緑色と模様が印象的でした。

幼虫を捕獲して環境を整える

幼虫を捕獲して昆虫ケースの容器に。

ナスの植えてあった土と枝木、茄子の葉っぱを入れて容器の中へ

放ちました。

"昆虫ケースに入れられたクロメンガタスズメの幼虫とナスの枝葉 | Caterpillar of Acherontia lachesis placed in a rearing container with eggplant leaves"
ナスの枝や葉を入れたケースに放して観察開始。落ち着いた様子でじっとしていました。

蛹化前の行動 ― 食欲の変化と糞の回数

夕方の18時ごろまでには、糞を6個ほどしていました。

エサの葉っぱも食べていませんでしたので

さなぎになるのが近いと思っていました。

"蛹化前に動きを止めたクロメンガタスズメの幼虫 | Acherontia lachesis caterpillar resting quietly before pupation"
夕方には動かず、糞を残して静止。蛹化が近い兆候でした。

数時間あっちこっち、動き回っていました。

"夜にトマトの葉を食べるクロメンガタスズメの幼虫 | Acherontia lachesis caterpillar feeding on tomato leaves at night"
深夜、トマトの葉を少しだけ食べていました。新しい味を試しているようでした。

でも、7月22日になって夜中の1時ごろにムシャムシャとトマトの葉っぱを少し

食べていました。ほんの少しだけでした。

捕獲時に茄子にとまっていましたので、初めてのトマトの葉っぱだったのか

他の場所のトマトの葉っぱもムシャムシャ。

結構、お気に入りでした。

そして、糞を1個しました。

"枝からぶら下がるクロメンガタスズメの幼虫 | Caterpillar of Acherontia lachesis hanging upside down before pupation"
7月23日の深夜、枝にぶら下がって身をくねらせる行動。いよいよ蛹化の準備のようです。

体を清めるような仕草と泡状の液体の正体

それから、動き回って容器の外に

夜の7月23日深夜1時ごろまで何も食べずにぶら下がっていました。

そして、身体を曲げたりしながら身体を毛づくろいのような

行動をしていました。

"体を反らせて動かないクロメンガタスズメの幼虫 | Acherontia lachesis caterpillar bending backward motionless before pupation"
体を反らせて動きを止めるポーズ。警戒しているようでもあり、蛹化直前の独特な姿勢です。

こっちに、反り返って動きませんでした。

可愛いかったなぁ。

動き回った後に、枝にとまってエサを食べる様子もないので

片付けて枝木と土だけに。

身体をくねくね。くねらせては

静止しながらの毛づくろい行動。

"口から液体を出して体を清掃するクロメンガタスズメの幼虫 | Acherontia lachesis caterpillar cleaning its body with secreted fluid before pupation"
口から泡状の液を出して体を清めるように動きます。皮膚を柔らかくして脱皮に備えているようです。

口からは液体を出して皮膚を毛づくろいするように

もぞもぞしながら動いていました。

"クロメンガタスズメの幼虫が口から出す泡状の液体 | Foamy secretion from mouth of Acherontia lachesis caterpillar during pre-pupal stage"
泡のような液体を吐き出す幼虫。皮膚の滑りを良くするための分泌物と考えられます。

口からは、泡のような液体が見えますね。

"全身を動かしながら毛づくろいするクロメンガタスズメの幼虫 | Acherontia lachesis caterpillar grooming entire body before pupation"
お尻まで念入りに体を動かして皮膚を清掃。蛹化に向けた準備行動が続きます。
"皮膚が濡れて光るクロメンガタスズメの幼虫 | Shiny wet skin of Acherontia lachesis caterpillar prior to molting into pupa"
体の前半分が濡れて光沢を帯びてきました。皮が脱げやすくなる前兆のようです。

お尻の方まで、全体をくまなく皮膚を毛づくろいするように

もぞもぞさせていました。

"皮膚が濡れて光るクロメンガタスズメの幼虫 | Shiny wet skin of Acherontia lachesis caterpillar prior to molting into pupa"
体の前半分が濡れて光沢を帯びてきました。皮が脱げやすくなる前兆のようです。

皮膚が前半分が濡れていました。

皮が脱げやすくするための準備をしていたのかな。

さなぎに、なる前の行動なのだろうか。

土にもぐる直前の行動と落ち着きのない動き

"土にもぐる前に動き回るクロメンガタスズメの幼虫 | Acherontia lachesis caterpillar wandering restlessly before burrowing to pupate"
夜明け前、土の中に潜ったり出たり。落ち着かない様子を見せていました。

1時間ほど、ウロウロあっちこっち動き回って落ち着かない様子で

その後、土に潜ったり出たりを繰り返して

朝方の4時ごろには、土の中へと見えなくなりました。

飼育ケースの土を霧吹きで湿らせる作業 | Lightly misting the soil in a rearing case to maintain humidity for pupation"
乾燥を防ぐため霧吹きで軽く湿らせ、蛹の呼吸環境を整えます。

乾燥するといけないので、霧吹きで少しだけ土を湿らせて

様子を見ました。

蛹化の確認(7月27日)

"蛹になったばかりのクロメンガタスズメ | Freshly formed pupa of Acherontia lachesis found underground"
7月27日、ついに蛹化を確認。お尻をピクピク動かして元気な状態でした。

7月27日、4日ほどたって昼の13時ごろに掘って見ました。

蛹になっています。お尻をぴくぴく元気でした。

そっと土を被せてそのままに。

飼育ゲージへの移動と環境管理

"クロメンガタスズメの蛹を土から掘り出して観察 | Observing Acherontia lachesis pupa carefully after digging from soil"
蛹の無事を確認して昆虫ゲージに移動。美しい茶褐色に変化していました。

昆虫ゲージに、移して様子を見ようと思いました。

一日たって7月28日の、お昼の13時頃にゲージに移しました。

割りばしに、キッチンタオルを巻いて体が転がらないように

真ん中に放ちました。連日、暑さが厳しいので

霧吹きでゲージの周りを湿らせて高温になり過ぎないように

あと、扇風機の風などを直接当てないようしたり。

"湿度管理された昆虫ゲージ内のクロメンガタスズメの蛹 | Acherontia lachesis pupa kept in ventilated rearing cage with moisture control"
割りばしを支えに設置し、湿度を保ちながら見守ります。高温・乾燥防止が重要です。

これは、8月6日の状態です。だいぶ赤黒く色が濃くなっています。

触るとお尻をぴくぴくさせて元気そうです。

"クロメンガタスズメの蛹の腹側と脚の形 | Ventral view of Acherontia lachesis pupa showing legs and abdominal outline"
腹側には脚や翅の輪郭が浮かび、成虫の形が見えてきました。

大きい目とギザギザの触覚、脚。

羽の形が浮き出てきていますね。

お腹側と思われます。


"背面に気門が見えるクロメンガタスズメの蛹 | Dorsal side of Acherontia lachesis pupa showing visible spiracles for respiration"
背中に並ぶ丸い穴は気門。呼吸を担う重要な器官で、命のリズムを刻み続けます。

見えている「丸い穴のような部分」は何か?

こちら側が背中側と思われます。

それはおそらく、「気門(きもん)」と呼ばれる呼吸のための開口部です。

多くの蛹や成虫の体節にはこのような器官があり、酸素を取り込む役割を果たします。

"成虫の翅の形が浮かび上がったクロメンガタスズメの蛹 | Pupa of Acherontia lachesis with emerging wing outlines visible under the surface"
翅の形がくっきりと浮かび上がり、羽化が近いことを知らせています。

もう、すでに蛹になって2週間ほど経ちます。

羽化はいつになるのか

無事に羽化が成功するのを

祈るばかりです。

蛹から羽化までの詳しい飼育の様子は、別記事の

クロメンガタスズメが羽化!短い飼育観察と感動の野生への旅立ち

にまとめていますので、あわせてご覧ください。


まとめ

茄子に毎年、1匹ほど見ていたのですが

草むらに逃がしていました。

今年は、何故か興味が沸いて羽化までに見守ろうと

思い捕獲したのですが、これで良かったのか

放置していたら鳥のエサ、暑さで生きのびれたのか。

自然に任せた方が良かったのか?とか迷いました。

生まれた命、最後まで責任をもって

見守ろうと思います。

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